モヒンガーを作ってみた のお話

中華とインドという2大文明圏と直接接しているミャンマー。

そんなtheインド・シナな国であるので、中華料理とインド料理が日常食だ。

朝食といえば油条に点心、サモサにロティ、ミャンマー人に大人気のレストラン料理といえば火鍋と麻辣香鍋、

お祝い事に食べるものといえばダンパウというミャンマー版ビリヤニ。

日本でラーメン餃子キムチあたりがすっかり日本の食卓でも食されるようになっているのと同じ感じだ。

一方で、ミャンマー固有の食とはどのようなものなのか。

おっと。

テーマが大きすぎるので一投稿内に収めるのは今日は難しそうだ。

余談だが、先日ミャンマーの食について寄稿した際は1500字以内にミャンマーの料理についてごちゃごちゃに詰め込もうとして大変なことになってしまった。

で。

モヒンガー、ご存じだろうか。

ミャンマーのソウルフードと言われれば、おそらくはこのモヒンガーという料理がまず上がるだろう。

日本人の言語感覚からすると、「モヒ」という響きに異国情緒を覚え、「ン」で一拍おいてからの「ガー」という強めの音で締めるこの単語に、どちらかというとおいしいのか不安になる響きだ。

で、ざっくりとした説明から入ると、モヒンガーとは魚ベースのスープ+細い米麵という組み合わせの麵料理だ。

魚ベースのスープ、というだけで日本人的な感覚からすると不味いはずがない。

しかも、ニンニクと玉ねぎで野菜系のうまみと甘みをとり、アラまでぐつぐつに煮込んで魚の出汁をとるだなんて、100パー美味いに違いない。

トッピングにはさつま揚げやヒヨコマメの天ぷら、ゆで卵、パクチーなどをお好みで。

うむ。不味いはずがない。

しかし、経済的にまだ未発達で超絶格差社会のミャンマーでは、

美味とされるナマズではなく安い川魚を使ったり、

味の素でごまかしたり、

アバウトなお国柄なので、たまたま材料の比率がおかしい日に当たってしまったり、

まあ、いろんな理由で不味いものに当たってしまうこともある。

とはいえやはり、旨いものは味にメリハリが効いていつつも優しい味わいで、

特に二日酔いの朝にぴったりな味だ。

余談だが、ぴったりなのは味だけではなく栄養面もそうで、

二日酔いに効く食材ばかりが使われているので、マジで二日酔いに効く。

ミャンマーにいる間はこのモヒンガーのおかげで酒に強くなったような錯覚に陥る。

で。そんなモヒンガー。

せっかく今日本に帰ってきているんだし、家族にふるまってみたい気持ちになる。

それも、なるべく近所のスーパーで済むような具材だけで。

ゆるくミャンマー料理を作れたら、最高じゃないすか。

ということで、今日はモヒンガーを作ってみることにした。

スープの一般的な材料というと

・魚200~300g

・玉ねぎ1/2~お好みで(ミャンマー人の友人曰く、結構がっつり使っていいらしい)

・ニンニク3片~お好みで

・ショウガ1片~お好みで

・レモングラス

・ターメリック小さじ1

・赤唐辛子お好みで

・ナンプラーまたは塩 適量

・バナナの茎

・ヒヨコマメのペースト適量

・米粉適量

ということで、レモングラスとバナナの茎、ヒヨコマメなど、本場のものにこだわるとスーパーでは入手不可能なものが多い。

こんな料理、日本の片田舎で作れるのだろうかと思ったが、ミャンマー人の友人に相談したところ、モヒンガーのスープに使う具材もまあまあ店により人により違うらしく、ヒヨコマメのペーストはなくてもよいということを聞いた。

代役として、きな粉を使えばまあ大丈夫だろう。(余談だが、ミャンマー料理は結構きな粉を使う)

また、バナナの茎については風味要員ではなく、ラーメンでいうメンマみたいな箸休め要員なので無くてもいい。

で、レモングラスがなくても大丈夫かミャンマー人の友人に聞いたところ、

「は?モヒンガーのスープで一番大事なのはレモングラスだよ!!」

と言われて一瞬あきらめそうになる核心的な一言を言われたが、

「・・・でも、ショウガをがっつり入れれば大丈夫だよ」

とのことで、ショウガでごまかすにした。

なお、魚種についてそのミャンマー人の友人に聞いてみたら、川魚で作ってほしい様子だったが

スーパーで買える川魚、つまり鮎の旬を待つだなんてできないので、思い切って、

鯖缶で済ますことにした(手抜き)

これでサブテーマの「手抜き」が際立ってきた。

で、次に調理手順だが、

・細かく刻むか、すりおろした玉ねぎ・ショウガ・ニンニクを多めの油で玉ねぎがきつね色になるまで炒める

・茹でた魚とターメリック、唐辛子をほぐした加え、魚の身が細かくなるまで炒める

・水とナンプラー、コショウを適量加え20分くらい煮込む

・茹でたそうめんやトッピングをスープに加え、完成

というものだ。

ただ単にぐちゃぐちゃになるまで煮込むかと思っていたが、意外と手が込んでいるものだ(失礼)

本来であれば玉ねぎは西洋玉ねぎではなくゴルフボールサイズの小さい玉ねぎを切らずに丸ごと煮込んで、箸で切れるくらいまで柔らかくするのだが、いかんせん、今回のサブテーマは「手抜き」である。

また、本来であれば小麦麺ではなく米麺なのだが、ここも同じくあくまで手抜き。

で、モヒンガーのあの味のバランスが再現できるのか、鯖缶で大丈夫なのか不安だったが、

全然普通に旨いのができました(歓喜)

手抜きで!!!(ドヤ

味の感想としては、

・言われたとおり、がっつり玉ねぎを入れて甘味旨味を出したほうが美味い

・ターメリックとナンプラーの量はかなり慎重になったほうがいい

・サバだとやはりサバ臭さは隠せないので、気になる場合は淡白な白身魚で作ったほうがいい

・臭い消しのパクチー大事。パクチーを買い忘れて急遽冷蔵庫にあったミツバを代用したが、パクチーの消臭力には敵わない(逆に言うとパクチーが苦手な人はミツバがいいかも)

といったところで。

もうミャンマーには私はいませんが。

自分の心にはミャンマーでの三年間の生活で学んだことは永久に不滅です!

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